宗教と政治と税金、なぜ違和感があるのでしょうか
あなたは、ニュースなどで、特定の宗教団体が政治に影響力を持っていることや、その団体が税制面で優遇されていることを知り、「なぜだろう?」と感じたことはありませんか。
そのように感じるのは、ごく自然なことです。それは、私たちが暮らす社会の仕組みが抱える、根本的な矛盾に気づいた証拠です。
「信教の自由」と「特別な優遇」
日本の法律には、「信教の自由」という大切な原則があります。これは、誰もが何を信じ、何を信じないかを自由に選べるという、非常に重要な権利です。
しかし、この「信教の自由」が、特定の団体を特別に扱う理由にはならないはずです。
宗教法人は、一般的な会社とは異なり、特別な税制上の優遇を受けています。たとえば、お布施や献金といった宗教活動で得た収入には税金がかかりません。また、お寺や神社などの建物や土地には、固定資産税がかからないことがほとんどです。
この背景には、「宗教活動は社会の役に立つ」という考え方があります。たしかに、宗教団体は災害支援や文化財の保護など、良い活動を数多く行っています。しかし、同じように社会貢献をしている他の団体(NPO法人など)は、このような特別な扱いを受けていません。この点が、多くの人が感じる「不公平さ」の正体です。
なぜ政治は宗教と結びつくのか
もう一つの疑問は、政治家が宗教団体と深く関わる理由です。
ある宗教団体は、多くの信者を抱えているため、選挙の際にその信者が特定の政党を応援することで、その政党は多くの票を得ることができます。その結果、政治家は、その団体の意見を政策に取り入れるようになります。
このようにして、「信じること」が「政治に影響を与える力」になってしまうのです。
私たちの社会は、すべての人の意見を公平に集め、話し合いでより良い方法を見つけるのが理想です。しかし、特定の団体の声が大きくなってしまうと、本当に大切なことが見えにくくなる可能性があります。
違和感を大切にする意味
「おかしい」と感じることは、決して悪いことではありません。むしろ、それは社会をより良くするために、とても重要な感覚です。
この仕組みを変えるための第一歩は、あなたが感じた違和感をそのままにせず、なぜそう感じるのかを考えてみることです。
- なぜ、特定の団体だけが優遇されているのだろう?
- 政治と宗教は、どこまで関わってよいのだろう?
こうした問いを自分に投げかけ、家族や友人と話し合うことから始めてみましょう。それは、社会をより公平で透明なものにするための、確実な一歩となります。