👂【体験談と対策】繰り返す低音感音性難聴の正体と、再発を防ぐために私たちができること
はじめに
初発から7年を経て再発し、ステロイド治療で治ってはまたぶり返す—。
耳の詰まり感や低い耳鳴りに悩まされ、「どうして私だけ何度も…」と不安を感じている方は少なくありません。これは「低音障害型感音難聴（急性低音障害型感音難聴）」が持つ、非常にやっかいな特徴です。
私自身の発症と再発の経過（2018年に初発、2025年に再発を繰り返し中）を踏まえ、この難聴の正体と、将来的なリスクを避けるために私たちができる具体的な対策を解説します。
私の症状：なぜ「治っては再発」を繰り返すのか？
低音障害型感音難聴の主な原因は、内耳の蝸牛（かぎゅう）という部分にリンパ液が過剰に溜まる「内リンパ水腫（水ぶくれ）」です。そして、この水腫を引き起こす最大の誘因がストレスや疲労、睡眠不足です。
ステロイド薬は、この水腫や炎症を抑えるのに高い効果を発揮します。しかし、薬で症状が一時的に治まっても、根本的な原因である体や心の疲労、生活習慣の乱れが解消されなければ、内耳は再び水ぶくれを起こし、難聴が再発します。これが、あなたが「治った」と「再発」を繰り返してしまう主な理由です。
難聴の再発と診断名の変化
低音障害型感音難聴は、再発を繰り返すうちに、めまいを伴わない「蝸牛型メニエール病」と呼ばれるようになります。これは、病態がメニエール病と同じ「内リンパ水腫」であり、再発性があるためです。
将来のリスクと向き合う：注意すべきこと
再発を繰り返すこの難聴と向き合う上で、最も恐れなければならないのは、難聴の進行や他の病気への移行です。
1. 難聴の進行
「軽い難聴だから大丈夫」と思いがちですが、再発するたびに前回の難聴が残ってしまい、徐々に聴力が悪化するケースが報告されています。難聴が残ってしまうと、日常生活での聞き取り（特に騒がしい場所での会話）に支障が出始めます。
2. メニエール病への移行
低音障害型感音難聴の一部（約5〜10%）は、将来的に激しい「回転性めまい」を伴う**メニエール病**に移行する可能性があります。
🔑 私たちにできること：
再発しても「そのうち治る」と放置せず、症状を感じたらすぐに耳鼻咽喉科を受診し、聴力が完全に元に戻るまで治療を続けることが、将来的な難聴の進行やメニエール病への移行を防ぐ鍵となります。
【実践的な対策】再発を防ぐための具体的な行動
私が繰り返しの再発から学んだ、最も効果的な対策は、治療薬以外にあります。それは「耳に優しい生活習慣」を徹底することです。
1. 最優先すべきは「休息と睡眠」😴
- 睡眠時間の確保: 毎日7～8時間の質の高い睡眠を確保し、決まった時間に寝起きするよう努めましょう。
- 積極的な休養: 症状が出た、または出そうな予感がしたら、無理をせず仕事を調整し、意識的に耳を休ませる時間を作ってください。
2. ストレス・疲労の管理 💪
- ストレス源の特定: ストレスの元になっているもの（仕事、人間関係、無理な運動など）を特定し、可能であれば距離を取るか、解消のための行動を取ります。
- 適度な運動: 激しい運動は避け、ウォーキングやストレッチなど、血流を改善する軽い有酸素運動を習慣にしましょう。
3. 騒音対策としてのイヤーマフの活用 🎧
前述の通り、イヤーマフは治療薬ではありませんが、聴覚過敏や耳の疲労対策として非常に有効です。
- 活用シーン： 満員電車、騒がしいカフェ、大きなイベント会場、職場の雑踏など、騒音によって耳の詰まり感や耳鳴りが悪化しそうな場所で、一時的に耳を保護するために着用します。
- メリット： 過剰な音の刺激から内耳を守り、再発の引き金を減らすことができます。
まとめ
低音障害型感音難聴は、非常に再発しやすい病気ですが、その分生活習慣でコントロールできる部分が大きい病気です。
再発を繰り返すことで不安になるかもしれませんが、「今」をしっかり治療し、**ストレスをためない、よく眠る**というシンプルな予防策を徹底することが、将来の健康な聴力を守る最大の防御になります。一人で悩まず、主治医と連携を取りながら、このやっかいな病気と上手に付き合っていきましょう。
